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wokobo

2016 15 February

デザインにおいて最も重要な要素であるタイポグラフィについて知る

kaboompics / Pixabay

今回はグラフィックデザインとWEBデザインにおいて重要な要素となるタイポグラフィについてお話しします。タイポグラフィとはもともと「活版印刷術」のことを指していましたが、現在では文字を使った表現すべてを「タイポグラフィ」といいます。日本では漢字と仮名から成る「和文書体」とアルファベットから成る「欧文書体」が使用されています。日本は他の国々と比べて使用可能な書体も多く、タイポグラフィの表現の幅が最も豊かな国の一つです。では早速タイポグラフィについて順に説明していきたいと思います。

書体とフォント

「和文書体」「欧文書体」の中の書体についてまずはお話しします。

書体

特定のデザインで統一された文字の集合が書体です。和文書体は漢字、ひらがな、カタカナ、数字、記号があります。欧文書体はアルファベット、数字、記号が書体です。

フォント

書体をディスプレイ表示や印刷用にデータ化したものをフォントと呼びます。フォントにはいくつかのデータ形式があります。その中でも重要な「PostScriptフォント」「TrueTypeフォント」「OpenTypeフォント」の3種類を紹介します。

PostScriptフォント

アドビシステムズ社が開発したアウトラインフォントです。OpenTypeフォントの登場までDTPでの定番フォントでした。

TrueTypeフォント

アップル社とマイクロソフト社が共同開発したアウトラインフォントです。PostScriptフォントよりデータ量は大きいですが、フォント情報を単一ファイルで管理可能なことから多くのフォントに採用されています。Mac OSやWindowsなど幅広く利用されています。

OpenTypeフォント

アドビシステムズ社とマイクロソフト社が共同で設計し、アップル社も賛同する形で開発されたアウトラインフォントです。PostScriptフォントとTrueTypeフォント両方の技術を取り入れた、現在主流になりつつあるデータ形式です。単一ファイルで膨大なフォント情報を管理出来るのに加え、Mac OSとWindowsのマルチプラットフォームにも対応しています。また、解像度の制限がないためプリンタ専用の高解像度フォントが不要でPDF入稿で商業印刷が可能です。

和文書体

いよいよ和文書体の説明に入ります。まずは和文文字の構成からお話しします。

漢字の構成「永字八法」

漢字は「永字八法」と言われるように、「永」の字に8つの技法すべてが含まれています。

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仮名の構成

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和文文字の構造

和文文字は正方形の仮想ボディに字面が収められています。仮想ボディとは活版印刷時代の鉛活字のボディが由来です。デジタル書体にはそれがないため仮想と名付けられています。これが正方形であることから、和文は縦組横組どちらにも対応可能な最大の特徴を得ています。

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文字の大きさ

文字の大きさを表す単位には「ポイント(pt)」と「級(Q)」があります。

ポイント(pt)

DTPやWEBデザインで採用されている単位です。1pt=0.3528mmです。(過去にはJIS企画で1pt=0.3514mmに定められてましたが、DTPが普及し単位の見直しの結果1pt=0.3528mmとなっています)

級(Q)

写値とともに誕生した日本独自の単位で印刷物に採用されています。1Q=0.25mmです。

和文文字の幅を基準にした単位

「ポイント(pt)」や「級(Q)」のように絶対値として表すのではなく、特定の文字幅を基準にした相対的な表現もあります。仮想ボディ1字分の幅を「全角」として、これを基準に半分の「半角」、三分の一の「三分」などと表します。

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和文文字のファミリー

書体が持つ線の太さを「ウェイト」といいます。書体によっていくつかのウェイトバリエーションを持っています。ウェイトの種類は標準的な太さを「R(レギュラー)」として、それより細いのを「L(ライト)」太いのに「B(ボールド)」「H(ヘビー)」などがあります。ウェイトバリエーションによる書体の集まりが「ファミリー」です。

和文書体の種類

和文書体は大きく分けて明朝体、ゴシック体、デザイン書体、その他に分けられます。その中でも基本となる明朝体とゴシック体について説明します。

明朝体

楷書体を整理、単純化して横線を細く、縦線を太くした書体です。「うろこ」や「はね」、「はらい」が特徴的です。日本ではなじみの書体で書籍や新聞の本文などで使われています。

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ゴシック体

すべての線や点がほぼ同じ大きさに設計された書体です。雑誌の見出しやロゴタイプなどで使われています。

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欧文書体

続いて欧文書体の説明になります。

欧文文字の構成

欧文文字は「ステム」「アーム」「カウンター」などの構成要素で作られています。

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欧文文字の構造

欧文文字は5つのラインで揃える方法で設計されています。それぞれのラインについては下記を参照してください。

  • ベースライン:すべての文字の基準線です。
  • ミーンライン:小文字の高さの基準線です。
  • ギャップライン:大文字の高さの基準線です。
  • アセンダーライン:小文字の「b」や「h」が持つ「アセンダー」と呼ばれる垂直線の上部の基準線です。
  • ディセンダーライン:小文字の「p」などが持つ「ディセンダー」と呼ばれる垂直線の下部の基準線です。

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欧文文字の幅を基準にした単位

和文の「全角」にあたるのが「em」です。これは「M」が和文の全角にあたると考えられたことから名付けられました。「半角」にあたるのは「en」となります。

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欧文文字のファミリー

欧文文字にはウェイトバリエーションの他に幅の狭い「Condenced」や幅の広い「Expanded」、斜体にした「Italic」などもあります。

欧文書体の種類

欧文書体は大きく分けて和文の明朝書体に相当するセリフ体、ゴシック書体に相当するサンセリフ体、デザイン書体、スクリプト体などがあります。その中から欧文書体の中心的存在であるセリフ体とサンセリフ体について説明します。

セリフ体

画線の端部に小さなでっぱりの「セリフ」がある書体です。可読性の良さから、書籍の本文には主として使われています。

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サンセリフ体

「セリフ」がなくすべての線や点がほぼ同じ大きさに設計された書体です。欧文表記のロゴタイプなどで使われています。

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まとめ

タイポグラフィはグラフィックデザインやWEBデザインにおいて非常に重要な要素です。日本では使用可能な書体も多く覚えるのが大変ですが、その分うまく活用出来ればデザインの幅は一気に広がります。また、デザインを請け負う側だけでなく、依頼する側の人もタイポグラフィの基本について知っていることで依頼する時のイメージをより深く伝えることが可能になります。ロゴデザインや名刺デザインの時には必ずや重宝することでしょう。

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