思わず装丁買いしたくなる10冊を紹介する

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デジタル化が進んだ昨今、本は電子書籍化し音楽もダウンロードで購入するのが主流となってきています。僕は学生時代にレコードを買い漁っていた時期があったので、ジャケ買いも頻繁に行っていました。ジャケ買いによる自分の知らない素晴らしい作品との出会いがジャケ買いの真髄です。もちろん毎回いい出会いばかりではなく、内容がまったくイメージと違うことがあったりして悲しいのやら、楽しいのやらいろいろなことに遭遇します。検討違いの内容だとそれはそれで楽しいのですけど。最近またレコードブームが再燃されたりもしているのでジャケ買いをされている方もいるかもしれません。そして今回は本のジャケ買い、装丁買いしたくなる10冊をまとめてみました。完全に趣味も入っているので感じかたはそれぞれ違うと思いますが、いい装丁を見ると手にしてみたくなりますね。
ヴァリス | フィリップ・K・ディック
最近だとハヤカワ文庫の新訳が店頭に並んでいますが、今回紹介するのは創元推理文庫のこちらです。サンリオ文庫からこちらの表紙が使用されてます。これ描いた人は藤野一友という日本人の方なんですよね。内容は強烈ですが表紙もそれに負けず劣らずです。
変身 | カフカ
カフカの写真にタイポグラフィのバランスがよく気にいっています。変身は朝起きたら虫になっている話ですが著者名の部分が触覚に見えなくもないです。
箱男 | 安部公房
安部公房は大好きな作家で身近にたくさんあるので、その中から箱男を選出しました。怪しい家の画像の並列で特異に見えます。下部のThe Box manの配置も絶妙なバランスですね。
フラニーとズーイ | J.D.Salinger
フラニーとズーイは村上春樹訳の新版になって装丁が断然よくなりました。金の題名と黒の著者名、サイドの緑とバランスが非常にいいです。タイポグラフィの参考にしたいです。
Self-Reference ENGINE | 円城塔
次作のBoy’s Surfaceもこれの延長の表紙を使用しています。こちらを歪ませた感じの表紙です。シンプルなモノクロのタイポグラフィに赤が映えています。
Self-Reference ENGINE (ハヤカワ文庫JA)
腑抜けども、悲しみの愛を見せろ | 本谷有希子
芥川賞受賞を記念してこちらを選出しました。イラストとコラージュが幻想的です。
わたくし率 イン 歯ー、または世界 | 川上未映子
題名が特徴的なだけに、それを強調したタイポグラフィとイラストのバランスは思わず手に取ってしまいます。
勝手に生きろ! | チャールズ・ブコウスキー
映画「酔いどれ詩人になるまえに」でも一部この写真が使用されいてますね。マット・ディロンがかっこよすぎです。
インディヴィジュアル・プロジェクション | 阿部和重
これはずるいですね。男性ならよくわからずに手が伸びてしまいます。内容もおもしろいので騙された訳ではないのでいいのですが。
ほかなるぬ人へ | 白石一文
直木賞受賞作というだけでもインパクトありますが、表紙もインパクト大です。ビビッドなピンクにどうしても惹かれてしまうんですよね。
学生の頃からジャケットを見てレコードを買ったりして喜んだり、がっかりしたりしていました。ジャケ買いには普段手にしない人の作品に出会ったりするいい機会になります。今後デジタル化が進み検索してほしい商品をピンポイントで購入できるのは便利ではありますが、ジャケ買いによる偶然の出会いがなくなってしまうのは少し寂しい気もします。次回は第二弾もしくはレコードのジャケット、映画のジャケットでまとめてみようと思います。