日本人が愛して止まない白銀比の謎に迫る

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日本人が愛して止まない白銀比とは
人々の好みは文化や時代によって変わるという事実があります。現代の日本人を対象にした四角形に対するアンケートでは、一番目に人気なのが黄金比ではなく1:1.41に近い長方形という結果があります。まさにこの比率こそが白銀比なのです。二位は黄金比ではなく正方形でした。続く三位にようやく黄金比の長方形が登場します。この結果から現代の日本では白銀比が最も受け入れられている比率だということがわかります。これらの結果は時代によっても変わってきますので今後の日本人の好みがどう変化するかはわかりません。
白銀比の作図法
では実際に白銀比を作図してみます。白銀比は黄金比よりも簡単です。正方形に対角線を引き、縦を正方形の一辺と横を対角線の長さの長方形を描きます。これで白銀比の四角形の完成です。
一番身近な白銀比
一番身近な白銀比に「紙のサイズ」があります。生活する上でA4やB5などさまざまなサイズの紙を使用しています。実はすべて白銀比になります。
A版,B版それぞれのサイズ
まずはこの表をご覧ください。
気づかれた方も多いと思います。A版もB版も半分にすると次のサイズになるという単純なものです。
A0→A1→A2→A3→A4→A5→A6→A7
B0→B1→B2→B3→B4→B5→B6→B7
このように白銀比の紙は半分にしても白銀比のままの非常に便利な紙ということになります。
キャラクターの中に隠された白銀比
日本人が白銀比を好む傾向として「かわいい」という文化が影響していると考えられます。「かわいい」の代表としてはキャラクターの存在があげられます。日本は世界有数のキャラクター大国としても有名です。そのキャラクターの中にも多くの白銀比が隠されています。では実際に見てみましょう。
ミッキーマウス
キティちゃん
ドラえもん
スヌーピー
トトロ
どれも好感度キャラクターランキング10位以内に入る人気キャラクターばかりです。これらのキャラクターはすべて白銀比になります。これだけ見てもいかに日本人が知らぬ間に白銀比を受け入れているかがわかります。この他にも白銀比のキャラクターはたくさんあります。好感度の高いキャラクターを目指すために白銀比を考慮してみるのもいいかもしれません。もちろん白銀比にしたからっといって人気が出るとは限りません。あくまで一側面として取り入れるかを検討してみてはいかがでしょうか?
前回に続き比率について説明しました。黄金比も白銀比もデザインをする上でうまく利用することが出来れば非常に有効な手段になりえます。名刺をデザインする際に黄金比のグリッドを使用したり、キャラクターをデザインする際には白銀比を参考にデザインしてもいいかもしれません。また、これらは時代によっても受け入れられ方が変化しますので、敏感に捉える感度を養っていくことも大切です。